国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 バックエンド研究開発部門 人形峠環境技術センター

リアルタイム環境監視システム

研究成果

これまでの技術開発成果

人形峠環境技術センターは、昭和30年に人形峠でのウラン鉱床の露頭発見から平成13年のウラン濃縮原型プラント運転終了に至るまでの間、核燃料サイクルのスタート地点に位置するウラン鉱石の探鉱・採鉱・製錬に係る資源技術、ウランを六フッ化ウランにする転換技術、ウラン235の濃度を高めるウラン濃縮技術を中心とした技術開発を推進してきました。その成果の一部を、民間の事業主体に引き継ぎその役割を達成しました。

資源技術開発

人形峠地域のウラン鉱床の露頭は、昭和30年11月に通商産業省工業技術院地質調査所によって発見されました。その後の調査で、国内の埋蔵ウラン量は約7千トンと少なく、その供給を海外に依存せざるを得ないことが明らかとなり、探鉱技術の経験は昭和40年代から海外探鉱に活かされました。

また、開発途上国の原子力平和利用に協力するため海外の研究者を受け入れ、人形峠で培ってきた鉱物資源、鉱石処理試験および廃水処理等関連技術の研修を行い、研究者のレベルアップと技術の普及啓発に努めてきました。

ウラン鉱床露頭発見の記念碑
ウラン鉱床露頭発見の記念碑

昭和40年代に建設された試験製錬所
昭和40年代に建設された試験製錬所

昭和30年代のウラン露頭調査
昭和30年代のウラン露頭調査

海外研修者の受入
海外研修者の受入

転換技術開発

●天然ウランの転換技術

鉱石からウランを抽出し濃縮の原料の中間製品である四フッ化ウランの製造までを山元でできるようにした湿式一貫製錬法の実証を目的として、製錬転換施設を建設し、平成3年に試験を終了するまでウラン量で約3 8 5トンの六フッ化ウランを生産するとともに、商業用転換プラントの設計・建設・運転のためのデータを取得しました。

●回収ウランの転換技術

製錬転換施設を改造して実施した回収ウランの転換実用化試験では、平成11年度の試験終了までにウラン量で約2 9 3トンの六フッ化ウランを生産し、回収ウランリサイクル技術の実証と経済性の見通しを得ることができました。

(クリックで拡大図を表示します)

ウラン濃縮技術開発

●パイロットプラントまでの経緯

昭和44年、動力炉・核燃料開発事業団はウラン濃縮に成功し、昭和47年以降はナショナルプロジェクトとして遠心分離機の高性能化開発を進めました。その後、ウラン濃縮技術開発を推進するため、昭和51年に原子力委員会によってパイロットプラントの建設が決定され、昭和52年人形峠環境技術センターで建設が始まりました。

●遠心分離法濃縮プラントの開発

昭和54年にパイロットプラントの運転を開始し、平成2年の運転終了までの11年間に遠心法ウラン濃縮プラントの信頼性とプラントの設計、建設、運転制御に関する技術を蓄積しました。
昭和63年からパイロットプラントの運転成果をもとに、原型プラントの第一期(DOP-1:100 tSWU)が運転を開始し、平成元年に第二期(DOP-2:100 tSWU)の運転を開始し、全面運転となりました。
平成13年の運転終了まで無停止連続運転を達成し、この間の濃縮役務量は約2000 t SWUになりました。日本原燃㈱が青森県六ヶ所村で運転しているウラン濃縮工場の初期の遠心分離機は、DOP-2と同じ機種です。
また、平成2年からは、回転胴に新素材を使用した高性能遠心分離機による実用規模カスケード試験を行い、原型プラント第二期(DOP-2)遠心機の1.5倍の性能を持つことを実証しました。

パイロットプラント時代

(クリックで拡大図を表示します)

技術開発の成果

遠心分離法濃縮プラントの運転を通して、個々の機器開発からプラントの安定運転までの広範囲な技術開発を進めてきました。その結果、プラント設計・建設管理、遠心分離機の量産時の品質管理、運転制御に関するエンジニアリング等の実用化に関する多くの成果を得ました。

また、日本原燃㈱への技術移転、技術者の出向や移籍で約92名、約23,200件の技術資料の提供、約165名の技術者を受け入れ研修を行いました。今後も 共同研究、業務の受託、技術者の派遣などを継続して進めていきます。